学年別の学習

中学受験、2月スタートに出遅れた!焦らず追いつく3つ挽回策【新小4・新小5】

2月入塾を逃しても、まだ間に合います

「中学受験の新学年は2月から始まります」 この事実を、2月に入ってから初めて知ったというお母様。あるいは、なんとなく知ってはいたけれど、日々の忙しさに追われて気づけば2月も半ばを過ぎていた……そんな状況で、今、この画面を開いているかもしれません。

周囲のママ友から「うちはもう入塾手続き済ませたよ」「塾のクラス分け決まったのよ」なんて会話が聞こえてくると、焦りを感じますよね。

「4月から新学年だと思っていた」
「どうしても習い事の関係で2月スタートできなかった」
「もうみんなカリキュラムが進んでいるのに、うちの子だけ取り残されているんじゃないか」

そんな不安で胸が押しつぶされそうになっているお母様へ。 落ち着いてください!大丈夫です。

確かに、中学受験の世界では「2月スタート」が定石です。これは揺るぎない事実ですし、多くのご家庭がそれに合わせて動いています。でも、これだけははっきりと言わせてください。 「2月1日にスタートラインに立てなかった=即終了」ではありません。

中学受験は、3年間という長い時間をかけて走るマラソンみたいなものです。スタート直後の数週間、あるいは1〜2ヶ月の遅れを取り戻す方法は、いくらでもあります。 むしろ、ここで「出遅れた!」とパニックになり、準備不足のまま無理なスタートを切ることの方が、後々まで響く大きな怪我につながりかねません。

今日は、2月のスタートタイミングを逃してしまったご家庭が、どのようにお子さんのメンタルを守りながら、最短ルートで塾のカリキュラムに追いつくか。その「具体的な手順」と「親の心構え」について、お伝えします。

これは単なる根性論や気休めではありません。多くの先輩ママたちが実践し、乗り越えてきた「現実的な戦略」です。

実は「3月・4月合流組」はこんなに多い(データ検証)

まず最初に、あなたの孤独感を少しでも解消するために、客観的なデータを見ていただきたいと思います。 「みんな2月から一斉に走っている」「出遅れたのはわが家だけ」と思い込んでいませんか?

実は、関西の大手進学塾の公開テスト(模試)の受験者数推移を見てみると、意外な事実が見えてきます。

例えば、新小4のデータを見てみましょう。 新学期が始まる2月の受験者数は約2,600人前後です。しかし、そこからわずか2ヶ月後の4月には、受験者数は約3,000人にまで増加しています。 これはどういうことかと言うと、たった2ヶ月の間に「約400人」もの生徒が新たに合流しているということです。

新小5でも同様の傾向が見られます。2月から4月にかけて、約300人以上の生徒が増えています。 さすが入試本番が近づく新小6になると動きは鈍化しますが、それでも100人以上の増加が見られます。

この数字が意味すること。それは、「出遅れた」と感じているのは、決してあなただけではないということです。多くのご家庭が、2月スタートではなく、3月や4月のタイミングで入塾を決断し、合流しています。

習い事の発表会が終わってから合流する子、他の小規模塾から転塾してくる子、あるいは「やっぱり受験しよう」と春休みに決心した子。親の転勤(仕事関係)で入塾先が決定できなかった子。理由はさまざまですが、みんなここからスタートして、最後には志望校合格を掴み取っています。

「仲間はたくさんいる」。 まずはそう思って、肩の力を抜いてください。焦りからくる視野の狭さは、親の判断を誤らせる一番の原因になります。まずは落ち着いて、現状を整理するところから始めましょう。

焦って「とりあえず教室に放り込む」が一番危険

さて、ここからが本題です。 「出遅れた!」と焦るあまり、多くの親御さんがやってしまいがちな、しかし一番やってはいけない失敗があります。 それは、「何の準備もなしに、いきなり通塾を開始してしまうこと」です。

焦って塾に電話相談をすると、教室の担当者は大抵こう言います。

塾の先生

カリキュラムはどんどん進みますから、一刻も早く入塾してください。来週からでも授業に参加してください

塾側の言い分は、カリキュラムの進度だけを考えれば「正論」です。1週間遅れれば、それだけ未習範囲が増えますし、少し日にちが経てば単元は切り替わりますから途中からというハンデもさほどなくなります。ですから、早く教室に来てほしいと思うのは当然でしょう。 しかし、ここで親として立ち止まって考えてほしいのは、「子供の気持ち」です。

中学受験のカリキュラム、特に算数は「積み上げ式」になっています。 2月から始まった授業は、すでに数単元進んでいます。4年生なら、その最初の基礎(例えば整数の性質や、計算のルールなど)を聞いていない状態で、いきなり3月や4月の教室に入るとどうなるでしょうか?

想像してみてください。 周りの子供たちは、すでに2月から顔を合わせていて、なんとなくグループができているかもしれません。先生とも打ち解け始めています。 そんな「アウェー」な環境に、一人で飛び込む我が子。しかも、授業が始まってみると、先生が黒板に書く内容が、自分だけ理解できない。 「え、なんでみんな計算早い!!すぐ分かるの?」「僕だけできないの?」

この疎外感と劣等感は、まだ幼い子供のプライドを深く傷つけます。 その結果、家に帰ってきてから「塾、楽しくない。もう行きたくない!」と言い出してしまう。最悪の場合、これがトラウマになり、勉強そのものが嫌いになってしまうことさえあります。

中学受験において、出だしの「拒絶反応」ほど怖いものはありません。一度「塾=嫌な場所」という刷り込みが入ってしまうと、それをリカバリーするには何倍もの時間と労力がかかります。

だからこそ、必要なのは「1日でも早く教室に押し込むこと」ではありません。 子供がスムーズに環境に馴染めるように、「軟着陸(ソフトランディング)」させるための準備期間を作ってあげることなのです。

親ができる最善策:家庭での「時差通学」

では、具体的にどうすればいいのでしょうか。 いきなり教室に行かせるのではなく、まずは家庭で「未履修単元(借金)」を返済してから合流する。これが最も安全なルートです。

そのための具体的な手段を2つご紹介します。

方法1:Web講座を橋渡しにする

多くの大手塾では、実際の教室で行われている授業を録画し、自宅で視聴できる「Web講義」や「映像授業」のシステムを持っています。

まず入塾の手続きをしてテキストを入手し、「2月スタートの分まで遡ってWeb受講」を行います。 自宅で動画を見ながら、親が横についてノートの取り方を教えたり、分からないところを一時停止して確認したりするのです。これなら周りと比べることなく、自分のペースでカリキュラムに追いつくことができます。

方法2:市販の参考書で追いつく(Webを使わない場合)

もしWeb講座のシステムがない塾や、画面越しだと集中できないお子さんの場合は、市販の教材を使って親がフォローする方法もあります。

手順は以下の通りです。

  1. 塾に「すでに終わってしまった単元」を確認 (例:「2月の算数は、大きな数と角度をやりました」など)
  2. 市販の参考書で、その単元を学習する

ここで注意してほしいのは、「学校の教科書レベルのワークでは不十分」だということです。 中学受験のカリキュラムは、小学校の進度とは全く違います。一般的な「教科書ワーク」で勉強しても、塾の授業レベルには追いつけません。

では、何を使えばいいのか。 迷ったら、『自由自在』(受験研究社) をおすすめします。

昔からある分厚い参考書ですが、解説が詳しく、中学受験の基礎から応用まで網羅されています。学年別に出ているので、新小4なら「小学3・4年用」を選んでください。 これを辞書がわりに使い、塾で終わってしまった単元のページを開いて、例題を解いてみましょう。

『自由自在』は、今回のキャッチアップだけでなく、今後塾に通い始めてからも「分からない単元を調べる辞書」としてずっと役に立ちます。一冊持っておいて損はありません。

「春期講習」こそ最大の合流チャンス

Web講座や『自由自在』を使って、2月・3月分の「借金」をある程度返済できたら、いつ実際の教室に合流するのがベストでしょうか。

私のおすすめは「春期講習」です。

なぜなら、多くの中学受験塾において、春期講習のカリキュラムは「新学年(2月・3月)の総復習」「重要単元の反復」に設定されていることがほとんどだからです。

通常授業では、毎週新しい単元を習い続けますが、春期講習はいったん立ち止まって復習する期間です。 つまり、春期講習は「新しいこと」をやる場ではなく、「みんなが復習している」場なのです。

ここで合流することには、大きな戦略的意味があります。 第一に、家庭で予習した内容がもう一度出てくるため、「あ、これ知ってる!」「家でやったやつだ!」と子供が自信を持てます。 第二に、周りの子たちも「復習モード」なので、授業のスピードについていきやすく、精神的な余裕が生まれます。 そして第三に、4月の学校の新学期が始まる前に、塾のリズムを作ることができます。

この「家庭学習による借金返済」→「春期講習での自信獲得」→「4月からの完全合流」という流れが、子供に負担をかけず、かつ最短で軌道に乗せるための王道ルートと言えるでしょう。

【注意】「上のクラスに入れるまで待つ」はNG

最後にひとつだけ、注意点をお伝えします。

「今の実力だと一番下のクラスになってしまう。家でもっと勉強させて、上のクラスに入れるようになってから入塾させたい」 そう考えるお母様もいらっしゃいますが、これはおすすめしません。

自宅学習で完璧を目指している間にも、塾のカリキュラムというベルトコンベアは進み続けています。自己流の勉強だけで、塾の進度に合わせて成績を上げ、いきなり上位クラスに入るのは至難の業です。

クラスは、入ってから上げればいいのです。 関西の塾事情として、一部の塾を除けば「満席で入れない」ということは稀です。下のクラスからスタートすることは決して恥ずかしいことではありません。
実際に下のクラスから最上位クラスまで上がってくる子を何人も見てきました。

まずは偏差値やクラス帯を気にせず、「塾のカリキュラムに乗る」ことを最優先にしてください。一度システムに乗ってしまえば、あとはその流れの中で実力をつけていくことができます。

まとめ:今日が一番早いスタート日

2月スタートに出遅れても、中学受験が終わったわけではありません。 むしろ、この「出遅れ」というトラブルを、親子で話し合い、戦略的に乗り越える経験は、これから3年間続く受験生活において、非常に良い予行演習になります。

焦る必要はありませんが、急ぐ必要はあります。 今日、お母さんがやるべきアクションプランは以下の3つです。

  1. まずは塾に電話をして、入塾の意思を伝える (その際、「2月・3月で終わってしまった単元」を必ず聞いてメモする)
  2. Web講座、または『自由自在』などの参考書を使い、家でその単元を消化する
  3. 春期講習の日程を確認し、そこでの合流を目指してスケジュールを調整する

この3ステップで進めれば、子供を「塾嫌い」にさせることなく、スムーズに合流することが出来ます。

4月になれば、一緒に数百人の仲間が入ってきます。 その時、しっかり準備をして合流したあなたのお子さんは、自信を持って授業を受けているはずです。

まずは今日、塾への電話一本、あるいは本屋さんで参考書を手に取るところから始めてみませんか。 大丈夫、まだ十分に間に合います!

オススメ参考書

自宅でキャッチアップをする際、すべての科目を均等に頑張る必要はありません。 いきなり4科目を完璧にやろうとすると、親子ともにパンクしてしまいます。

ここでは、「まずはここだけ押さえる」という優先順位(比重)をお伝えします。 限られた時間で追いつくための、戦略的な学習バランスです。

【新小4の優先順位】 算数 > 理科 > 国語 > 社会

まずは何と言っても「算数」です。ここは一度つまずくとリカバリーが大変なので、最優先で時間を割いてください。 一方で「社会」は4番目にしています。4年生の社会は「日本の地理」が始まり、都道府県や特産品など、覚える量が格段に増えます。これを家で一人で完璧に覚えようとすると、それだけで勉強時間が終わってしまいます。 社会は「暗記」の要素が強いため、後からでも巻き返しがききます。今は、論理的な積み上げが必要な「算数・理科」の穴埋めを優先しましょう。

【新小5の優先順位】 算数 > 理科 > 社会 > 国語

5年生でも「算数・理科」の重要度は変わりません。 ただし、5年生になると「社会」の優先度を少し上げてください。歴史が始まり、地理・歴史・公民と入試に直結する知識の密度が一気に濃くなるからです。 国語は、一朝一夕で伸びるものではないので、焦ってドリルを詰め込むよりは、算数の文章題や理科・社会の解説を「正しく読む」ことを通して、基礎的な読解力を維持するイメージで大丈夫です。

この優先順位を意識して、まずは『自由自在』などの参考書を使い、算数の未履修単元から手をつけてみてください。

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