
「志望校、この学校がいいとかある?」
そう聞いても、お子さんの反応が薄くて焦りませんか?
「どこでもいい」「(親が勧める)〇〇中でいいよ」……。
その言葉の裏には、「偏差値の数字だけ見ても、自分がそこで過ごすイメージが全く湧かない」という子どもたちの本音があります。
わが家も5年生の秋口まで、親と子で志望校への熱量に大きなズレがありました。夫婦の間でも意見が違いましたしね(笑)。
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その停滞ムードを劇的に変えたのが、わが家オリジナルの「志望校比較エクセル」です。
塾でもらえる偏差値表には、進学実績や偏差値しか載っていません。
もちろん、その学校に成績が届くかどうかは重要な問題ですが、それ以上に子どもたちが本当に知りたいのは「電車は何時に乗るのか」「お昼ご飯は何を食べるのか」「クラブは何に入るのか」「スマホは使えるのか」という「6年間の日常」です。
今回は、成績のことは一旦横に置いて、わが家の娘がペンで評価(A〜C)を書き込み、自ら「ここを第一志望にする!」と決断するに至った、比較表の「チェック項目」をご紹介します。
最後にサンプルのエクセルも公開しておりますので、よかったら参考にしてみてくださいね。

目次
比較ポイント①:毎日の「通学ストレス」を1分単位で可視化する
親はつい「所要時間40分なら通えるわね」と軽く考えがちですが、中学生の荷物は10kgを超えることもあります。比較表の最初のブロックは、「登校へのリアルな道のり」です。

- 登校時間と「出発時間」
登校時間が8:35のA中学校と8:15のC中学校。家から駅まで、乗車時間、駅から学校まで乗り換え時間など考え、逆算すると、A校なら「06:55出発」、B校なら「07:30出発」になります。この「朝の30分の差」は、成長期の子どもにとって睡眠時間の質そのもの。娘は「C中なら、少しゆっくり寝られる!」と、これだけでC校にA評価をつけていました(笑)。 - 「乗り換え数」と「駅からの距離」
関西の通勤ラッシュは過酷です。「乗り換え2回」のストレスや、駅から「徒歩15分の急な上り坂」を毎日重いリュックを背負って歩けるか。オープンキャンパスでは気にならなくても、雨の日や真夏の通学を想像させると、子どもの志望順位はリアルに変動します。
可能であれば、長期休みなどで実際の通学時間に一度学校に行ってみてもよいと思います。
比較ポイント②:「衣食住」とモチベーションの源泉
次に、子どもが1日の大半を過ごす「校内の生活環境」です。大人が思う以上に、子どもはここで「自分の居場所」をジャッジしています。

- 「50mプール」の絶望と安堵
比較表で、娘が項目にいれてと言ってきたのは「プールの有無」でした。泳ぐのが苦手な娘にとって、伝統校によくある「50mプールでの水泳授業」は恐怖でしかなかったようです。「この学校、プールないの!?最高!!」と書き込んだ娘の安堵した顔。親にとっては盲点でしたが、これも立派な志望動機です。 - トイレの綺麗さと「ホテルのような図書館」
多感な女子にとって、水回りの清潔感は死活問題。「トイレが綺麗」「廊下が広くて開放的」というだけで、学校への好感度は爆上がりします。また、ある学校の図書館がまるでホテルのラウンジのように美しかったこと。娘は「あそこで本を読んでる自分、絶対かっこいい」と目を輝かせていました。 - 食堂のうどんの美味しさと「自販機のQoo」
「お弁当だけでなく、食堂(給食)が使えるか」は親にとっても重要ですが、子どもが見ているのはもっと細かいところ。「〇〇校のうどんは、美味しかった。」「自販機に自分の好きなジュース(Qoo)があった」。笑ってしまうような理由ですが、そんな小さなワクワクの積み重ねが「ここが私の学校だ」という愛着に繋がります。
比較ポイント③:中高生の生態系を左右する「ルールと放課後」
入学後の「自由度」も、エクセルに組み込むべき超重要項目です。

- スマホの持ち込みルール
「学内使用禁止(預ける)」「電源オフなら持ち込み可」「一切不可」。この数文字の違いが、現代っ子には最大の関心事です。「帰りに友達とLINEができないなんて無理!」と、ここで学校の「管理型か、自由型か」のカラーを子ども自身が悟ります。 - クラブ活動の頻度と「やりたい部活」
「週5日ガッツリできる」のか、「週3日まで」と制限があるのか。娘は自分の興味のある部活がどれくらいの熱量で活動しているかを、各学校のHPや説明会やオープンキャンパスで聞いた情報をエクセルに追記していました。 - 自習室と「時間割(下校時間)」
「19時まで学校で自習できる」という環境は、家で勉強したくない&お友達と一緒に勉強したい子(そして塾代を浮かせたい親)にとっては天国です。平日は何時間授業で、土曜日は学校があるのか。大学生チューターや講師は常駐しているのかなど、この「1週間のサイクル」を比較することで、入学後の生活リズムがはっきりと見えてきます。 - 放課後の寄り道
オープンキャンパスでは、先生ではなくあえてその辺を歩いている在校生を捕まえて「放課後、遊びに行ってますか?」と聞いてみました(笑)。 建前上は多くの学校が「寄り道禁止」ですが、先輩たちからは「こっそりカラオケや〇〇(商業施設)に行ってるよ〜」なんてリアルな声も。 極めつけは、ある仏教校の裏話。「寄り道が見つかった時のペナルティは『写経』」だそうです!これには娘と大爆笑。こういう「学校の体温」を感じられるのは、実際に足を運んだからこその収穫です。 - 男女交際(意外と大事な学校のカラー)
娘本人はまだ全く気にしていませんでしたが、学校によって「厳格に禁止(バレたら停学レベル)」「条件付きで黙認」など、はっきりと校風が出ます。 異性の目を気にせずのびのび過ごせる別学か、自然な社会性が身につく共学か。在校生に知り合いがいないと見えにくい情報ですが、エクセルにメモしておくと「学校の管理体制の厳しさ」を測る裏指標になります。
比較ポイント④:学校の「熱量」が爆発する年間イベント
そして、わが家のエクセルで最も行数を割き、娘が一番時間をかけて「A・B・C」のペン入れをしたのが、この「イベント・宿泊行事」の項目です。

- 「宿泊行事」の回数と行き先
1年間に何回泊まりの行事があるか。私立なのである程度イベントは多めだと思いますが、ある学校は「毎年宿泊研修+富士山登山+海外語学研修」とイベント目白押し。別の学校は「勉強に集中するため行事は最低限」。親は「お金がかかるな…」と渋い顔になりますが、子どもにとっては「生きる楽しみ」です。 - 文化祭で見た「先輩の姿」
イベントの項目には、オープンキャンパスや文化祭で感じた「先輩の雰囲気」もメモさせていました。「先輩が優しかった」「おしゃれな人が多かった」。結局のところ、子どもにとっての最高のモチベーションは「あの先輩みたいになりたい」という憧れなのです。
比較ポイント⑤:親の責任としての「出口戦略(進学実績)」
ここまで子どもの「生活・感情」に寄り添った項目を並べてきましたが、表の最後には、親として絶対に外せないシビアな項目を置きました。

- 「大学進学実績(現役合格割合)」と「学校の弱点」
国公立や早慶、関関同立への「現役合格数」。そして、「公立中と同じ進度だから塾が必須」「通塾率が高い」といった学校の「弱点」。どんなにイベントが楽しく、自販機に好きなジュースがあっても、6年後に「浪人不可避」な環境や「結局、塾漬け」になる環境では困ります。
わが家で現役合格率を出すときは、あえて関関同立を含めず「国公立と早慶」だけに絞りました。関関同立を入れるとどうしても人数が膨らみ、学校本来の進路指導力がぼやけてしまうからです(最難関を狙うなら、ここに医学部を入れてもよかったかもしれません)。
そしてもう一つ、強くこだわったのが「純粋な合格率」の算出です。 学校によっては運動部が強く、スポーツ特待生がいる場合があります。わが家では、その人数を全体の在籍者数(分母)から除外して現役合格率を計算していました。出来るだけ受験におけるリアルな「学力層の合格率」をあぶり出すためです。
12歳の子どもに「6年後の大学受験」を理解させるのは至難の業です。 だからこそ、エクセルの上のほうで「この学校、楽しそう!」とテンションを上げた状態で、最後に「でも、ここに行くなら6年後もちゃんと勉強する環境があるよ。だから今頑張る価値があるんだよ」と、冷静に「出口」を見せてあげる。
子どもの「直感(ワクワク)」を、親が「データ(実績)」で裏打ちしてあげる。 これが、この比較エクセルを作った最大の目的であり、わが家が納得して志望校を選べた理由でした。
おわりに:志望校比較表は親子が戦友になるためのツール
偏差値表は、塾がくれます。 でも、この「生活に根ざした比較表」は、親と子にしか作れません。
親が「偏差値」という視点を捨てて、子どもと同じ「生活者」の目線に立ったとき、初めて子どもは「自分の人生を自分で選ぶ」ということと向き合えると思います。
秋以降、過去問の点数がふるわず心が折れそうになったとき。娘は、このエクセル表を見つめていました。 「やっぱり私、この学校に行きたい。あの場所でクラブも勉強もしたいな」そんな前向きな気持ちが、背中から見えていました。
そして出願の時も、「どの学校になっても楽しそうだな」と心から納得して受験に向かうことができました。
皆さんもぜひ、志望校のパンフレットやHPを見ながら、お子さんと一緒に「わが家だけの比較表」を作ってみてください。そこにはきっと、模試の判定よりも確かな「合格への原動力」があります。
比較表サンプル・ダウンロード
比較表サンプル・ダウンロードをご利用の方へのお願い
データは架空のミックス・サンプルです
表内に記載している「A校〜H校」のデータは、比較の視点をお伝えするためのサンプルです。特定の学校を示すものではなく、複数の学校の情報を混ぜ合わせたり、ダミーの数値を入力したりして構成しています(進学実績、イベント内容、通学時間なども同様です)。
「A〜C評価」は12歳の超・個人的な主観です
表内にある印象や評価(A・B・C)は、あくまで当時のわが家の娘の「個人的な好みや直感」に過ぎません。「この学校が優れている・劣っている」といった客観的な評価や優劣を示すものでは一切ありません。(「プールがないからA!」「うどんが美味しいからA!」のような、小学生女子の気まぐれな感想として笑って読み飛ばしてください!)
必ず「最新の一次情報」をご確認ください
学校のカリキュラム、校則、進学実績、入試イベントなどの情報は毎年アップデートされます。実際の志望校選びの際は、必ずご自身で各学校の公式ホームページや説明会・オープンキャンパスに足を運び、最新の情報を確認してください。
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