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国語の記述問題こそ、一番点が入りやすい
中学受験の国語のなかでも、子供の手も、ママの丸つけの手も止まってしまうのが 記述問題 ではないでしょうか?
我が家の娘も
作者の気持ちなんて本人しか分からないし
と投げやりになったり、
主人公は(態度を)装ってるだけで、実は逆の気持ちかもしれない
など深読み⁉して記述で手が止まるタイプでした。
模範解答通りには書けなくてもOKと自分の気持ちと折り合いがつくまで、書いて、書いて、書きまくって慣れて言った感じです。
私も丸つけ(採点)をする時、いつも不安を感じていました。
「読めているのに書けてない…真っ白…なぜ!?」
「模範解答と全然違うんだけど?」
「これを◯にしていいの?それとも×?それとも△?点数どうしよう。」
こんな迷いが頭の中に残るのは、記述が“模範正解だけがひとつの正解ではないから。
不安に感じるのは当たり前なんです。
でも実は、記述こそが、いちばん点が入りやすい問題。
抜き出しは一文字違えば✕。穴埋めは言い換えただけで0点。
でも記述は——
書けば書くほど点が動く。
少し方向が合っていれば部分点が積み上がる。
ここでは、丸つけ・採点に役立つ「要素採点」の仕組みから模範解答は何を見るべきか、書けない子の心理、学年別の伸ばし方、6年生の過去問期についてまとめてみあした。
記述は「正しく書く」より「必要な要素を拾う」問題
多くの記述問題における採点基準は、
① 気持ち
② 理由
③ 行動・結果
この3つのうち、どれが書けているかで点が決まります。
文章がたどたどしくても、この3つの“要素が入っていれば点になる”。
このルールを知っているだけで、記述は一気にラクになります。
「模範解答」=唯一の正解ではない
模範解答を見ると、「(これが)完璧な答えだ。この通りに書かないとダメなんだ…」と感じるかもしれません。
でも、模範解答は採点者が採点しやすくするためのモデルであって、「正解の文章」ではありません。
採点者が見ているのは、
採点者の視点
- 要素が入っているか
- 本文の根拠につながっているか
- 文脈が自然か
文章の完全一致度ではありません。
とはいえ、部分点とかどうやって決めてよいのか実際にママが採点するときは迷いますよね。
以下に採点方法の1つのやり方として「要素採点」について解説します。
まず知っておきたい:要素採点ってなに?
記述問題の採点は、「正解/不正解」ではなく、次のように 要素を分けて評価 しています。
- 要素①:気持ち
- 要素②:理由/根拠
- 要素③:行動/結果の説明
このように “書くべきポイント(要素)” を3つに分け、いくつ書けているかで 2点・3点…と部分点が積み上がる 仕組みです。
要素3つ・8点満点のサンプル(オリジナル)
■ 問題
主人公が友だちのミスをすぐに指摘しなかった理由を40字以内で書け。(8点)
■ 模範解答(例)
友だちが失敗に気づくと落ち込むと思い、気持ちを傷つけないように少し様子を見ようとしたため。(39字)
■ 要素
- 要素①(3点):友だちが落ち込むと思った(気持ち)
- 要素②(3点):傷つけたくなかった(理由・根拠)
- 要素③(2点):しばらく様子を見ようとした(行動・結果)
文章が違っていても、この3つが入っていれば8点。2つなら5〜6点、1つでも2〜3点入ります。
記述が“部分点の宝庫”と言われる理由がここにあります。
記述が書けない子の心理とやさしい声かけ
記述が書けないのは、能力より 心理のハードル のことが多いです。
書き始めが分からない
気持ち・理由・本文情報が頭の中で混ざってしまい、最初の一文が出ずフリーズしてしまうタイプです。
■ 声かけ例
「最初の一行だけ一緒に考えようか」
「まず気持ちだけ書いてみようか」
正解に合わせようとしすぎる
「間違ったらどうしよう」が強く、正解を当てにいこうとして手が止まるタイプ。
■ 声かけ例
「模範解答と違っていいよ」
「合ってる方向なら点になるよ」
自信がない・失敗したくない
完璧主義の子は、「上手に書けないなら書きたくない」となりがち。
■ 声かけ例
「この部分、よく気づいたね」
「書こうとしてたことがすごいよ」
とくに真面目な子や完璧主義の子ほど、このハードルが高くなりがちです。
記述が強い子は読解力も安定する理由
記述が書ける=読解の芯がある ということ。
記述は、ただ“書く力”ではなく、読解力そのものにつながる、とても大切な土台です。
- 本文情報を拾う
- 必要な部分だけ選ぶ
- 自分の言葉に組み立てる
これができる子は、選択肢問題でもブレにくくなります。
結果として、偏差値の上下が少なくなる。
灘・東大寺・甲陽・四天王寺など難関校は記述比重が大きいため、記述が強い子は 受験に強い という特徴もあります。
【学年別】記述との向き合い方
ここからは、日常の声かけ例も交えた“具体的ステップ”です。
低学年(〜3年生)
書けたこと自体を認める“根っこづくり”のタマゴ期
記述はまだ難しいので、できた部分だけを丁寧に拾ってあげる段階です。
丸つけはお子様と一緒に確認しながらやるのがベスト。
■ 声かけ例
「ここまで書けたね、すごいね」
「読んでみたら、気持ちが伝わるよ」
4年生
“自分で丸つけ”が始まり、成長が見えやすいヒヨコ期
記述が本格化してくる学年。
ここでの経験が5年生以降に大きく効いてきます。
模範解答を見ながら、「何が足りなかった?」を一緒に確認するだけで十分。
特別なテクニックがなくても、“慣れ”だけで点数が伸びる のが4年生の特徴です。
■ 声かけ例
「ここ、本文の気持ちをちゃんと拾えてるよ」
「この一文だけでもすごく進歩だね」
■ 親のフォロー
通塾開始時は毎回一緒に模範解答との違いを確認。
慣れてきたら、少しずつ任せてみる。
5年生
要素採点デビュー期。文章が安定し始める
「気持ち→理由→行動」の3つの軸が見え始め、文章の形が整ってきます。
また、文末表現(「〜から」「〜ため」)を意識することで点数も安定します。
■ 声かけ例
「まず模範解答を(3つの)要素に分けてみようか。自分の解答で要素が足りないところある?」
「順番に書けば自然な文章になるよ」
■ 親のフォロー
月1回程度。
子どもがめんどくさがって記述問題を飛ばしていないか、自己採点が甘すぎないかだけチェック。
6年生
要素+文脈の流れを確認する“仕上げ期”
「要素を入れて書ける」から「文脈も整える」 へステップアップ。
■ 親のフォロー
月1回で十分。
子どもがめんどくさがって記述問題を飛ばしていないか、自己採点が甘すぎないかだけチェック。
6年生の過去問期:よくある間違い&気にしなくていいこと
過去問期は、子どももママも“点数”に意識が向く時期。
だからこそ、よくある落とし穴があります。
よくある間違い①:自己採点が甘くなる
「ここも合ってる気がする…」
「たぶんこの意図で書いた…ほぼ同じ意味やし…」
「ちょっと書けてはないけど、そう思ってたから△だな」
どうしても“良い点に寄せたく”なるのが子どもの心理。
だから、ここだけはママが客観的に丸つけを。
よくある間違い②:模範解答と違う=×と思いこむ
過去問期になるほど気にしがちですが、模範解答の文章そのものは気にしなくてOK。
要素が入っていれば部分点をつけてもOK。
忙しいママが全部抱え込む必要はなし
過去問の記述採点はやはり不安なので、志望校別対策講座の先生や国語担当講師に過去問添削をお願いするのが一番よいです。
しかし、先生もこの時期、多くの過去問添削や質問対応などで忙しく、返却が遅かったり質問の順番が回ってこないこともあります。
保護者の方が自分で採点するのが不安なら、プロ(過去問採点サービスや個別指導、中学受験専門の家庭教師)に頼る方法もあります。
必要なところだけ、外の力を借りるのも立派な作戦でだと思います。
最後に
記述は安定するまで時間がかかります。
“今日の答案”より、“1ヶ月前”との比較”のほうがずっと大事。
記述は「才能がある子だけができる特別な問題」ではありません。
むしろ、書けば書くほど点になる“優しい問題”。
要素採点と模範解答の正しい理解、そして学年に合わせた寄り添い方があれば、子どもの記述力は必ず伸びていきます。