
中学受験をしていると、避けて通れないのが 「志望校がどこまで広がるか問題」 。
「志望校って、どこまで話すべきなんだろう?」
「ママ友に成績を聞かれると、どう返したらいいんだろう?」
「噂になるのが怖い…」
本音を言えば、比べられたくないし、噂されるようなことも避けたい。
でも、子どもたちの世界は驚くほどオープンで、テストの点だけでなく、志望校や受験スケジュールさえ周囲に知られていることがあります。
親だけが秘密にしたいと思っても、子ども社会の“透明性”は止められないんですよね。
今日は、我が家の実体験をもとに、志望校が広がりやすい子どもの世界と、ママ友との関わり方についてお伝えしたいと思います。
目次
子どもたちの世界は、とてもオープン。だからこそ大人が揺れる
受験期になると、テストが終わるたびに、子どもたちのあいだでは成績や合否判定の話題が当たり前のように飛び交います。
「算数何点だった?」
「判定どうだった?A?B?」
「第一志望どこ?え、そこなん?じゃ、滑り止めは?」
「1日目はA中で、午後B中?」
こうしたやり取りは、子どもたちにとっては深い意味のない“日常会話”のひとつ。
我が家の場合もほぼ“全公開状態”でした。
志望校も併願も、試験日のスケジュールまで、同じ塾の子ども同士ではしっかり共有されていました。
そもそも、6年生の夏休み頃から多くの塾では志望校別クラスが始まり、「どのクラスにいるか」で、だいたいどの学校を目指しているかも分かってしまいます。
そう思うと、隠そうとしても隠しきれない世界なんですよね。
そして、子どもたちに悪気があるわけではありません。
同じ船に乗って頑張っているという仲間意識から、ごく自然に話題にのぼるだけ。
ただ、そのオープンさに触れるたびに、親のほうがそわっと心を揺らしてしまうこともあるのです。
親が“志望校を隠す/ぼかす”のは珍しいことではない
とはいえ、我が家は大人側としては少し距離を置いていました。
うちの子は 高い目標 を持って挑戦しようとしていたので、正直「どうなるか分からない」というのが本音でした。
塾のママ友には、志望校別クラスの時点でほぼ分かっていることもあり、そのまま話していました。
でも、中学受験をしない小学校のママ友には、あえて具体的な学校名は出さず、やんわりとお話しするようにしていました。
私がよく使っていた言い方は、こんな感じです。
子どもがちょっと難しめの学校を目標にしていて…厳しいかもしれないけど、今は応援するしかなくて。
また決まったら報告させてもらうね。
学校名を出さないまま、やわらかく伝える。
それでも、ほとんどの方が優しく「そっか、応援してるよ」と返してくれました。
なかには、お伝えした学校のことに対して、ズシッと来る一言を放つ人もいるんです。
「え?そこ(併願校)も受けるの?あれだけお金かけてやらせてたのに、そんなところで満足する?」
そのときは、さすがに苦笑いしかできませんでした。
こういう“価値観のズレ”は、受験期になると本当に増えてきます。
お互いに悪気はなくても、その言葉がほんの少し胸に残ってしまうこともあるので気をつけたいところです。
【タイプ別】ママ友との距離感と、我が家の経験
中学受験しない小学校のママ友
小学校には、中学受験をしない家庭もたくさんあります。
私は「中学受験をする」ということは話しますが、学校名などの具体的なことは控えていました。
関西の公立は優秀な学校も多く、内申点も厳しいから、公立受験のほうがずっと大変だと感じています。
副教科も得意で、オールマイティーに成績を取れる子でないとトップ校は狙えません。
ウチの子は副教科が壊滅的なので、むしろ公立受験のほうが難しい…(笑)
だから「公立は大変やで〜」という話を聞くと、純粋にすごいな、と尊敬していました。
ただ、「そこまでしなくても、公立で十分じゃない?」と何気なく言われたこともあったので、必要以上に深い話はしないように調整していました。
② 中学受験するけど別塾のママ友
別塾のママ友とは、距離が近すぎないぶん話しやすく、塾の文化の違いなどの話をよくしました。
子ども同士の会話で志望校を知っていても、あえてこちらからは触れない。
話題はだいたい、
・証明写真どこで撮った?
・学校っていつから休む?
・この教材よかったよ〜
・塾のルール、どんな感じ?
という“平和な範囲”だけ。
深く踏み込まない、でも心地よい関係でした。
③ 中学受験するけど、同じ塾の異性のママ友
男子校と女子校で受験事情が少し違うので、その話が中心。
そして、
我が家が理科苦手
男の子は国語苦手
と分野が真逆なので、勉強方法を聞くのも純粋に楽しかった。
ただ分かったのは、得意な子の勉強法と、不得意な子の勉強法は違う ということ(笑)
だから情報は「聞いて楽しむ」くらいで、あまり真に受けすぎないようにしていました。
④ 中学受験する同じ塾・同性のママ友(難易度高め)
同じ塾で、しかも同性のお子さんをもつママ同士の関係は、とても繊細です。
志望校が重なれば重なるほど、どうしても比較が生まれやすくなってしまいます。
私が直接経験したわけではないのですが、最初は明るく情報交換していたママたちが、6年生に入った途端、ふっと距離を置くようになった姿を見かけたことがあります。
それが子ども同士の関係からなのか、それとも親同士のちょっとしたライバル心なのか、理由は分からないのですが、“急に話さなくなる”という変化は、決して珍しいことではありません。
受験期は親も子も敏感になるので、トラブルを避けるために、そっと距離を置く判断をするご家庭もあるのだと思います。
一方で、ただ、私の場合は本当に幸運で、励まし合えるママ友に出会えました。
「特別講義、先生はこう言ってたよ」
「過去問は今うちはこれくらい進んでるよ」
「この教材、すごく良かったよ」
「まとめ資料つくったから、よかったらコピー持ってくるね」
そんな言葉を自然にかけてくれる、まさに天使のような存在でした。
その思いやりが、どれほど心強かったか、今でも思い出すと胸があたたかくなります。
でも、これは本当に“運が良かった”だけだと思っています。
うまくいくかどうかは、子どもだけでなく、親同士の相性による部分もとても大きい。
だからこそ、ママ友とは「仲良くする・しない」とか「こうあるべき」と気負わずに、心地よい距離感を大切にするのが一番なのだと思います。
成績や志望校を聞いてくるママ…なぜ?
志望校を聞いてくる理由
それでも受験直前期になると、自然と“聞いてくるママ”が増えてきます。
「判定どうだった?」
「今どれくらい進んでる?」
「志望校って、どこに決めたの?」
悪気はなくても、受験期の心には響くものがあります。
でも、なぜ聞いてくるのか、その理由を知っておくと、気持ちがほんの少しラクになるんですよね。
・自分が不安で、誰かと比べて安心したい
・我が子の立ち位置を知っておきたい
・子どもから話を聞いて“確認したくなる”
攻撃したいわけではなく、ただ“知りたいだけ”ということがほとんど。
そう思えると、必要以上に気にしなくていいんだと感じられます。
聞かれたときの“はぐらかす言い方
私はあまり話したくない時期は、こんな感じで返していました。
「女子校か共学化もまだ方向性が固まってなくてね。はっきりしたら話すね。」
「子どもと夫と私、それぞれ意見が違ってて…。いま家で相談しているところなの。」
そして、あるママが言っていたこの返し方は、“やわらかさと線引き”のバランスが絶妙で、思わず感心しました。
「うちの子、気にしやすいタイプで…。成績や志望校は今はそっとしてるの。」
相手を否定せず、理由を“子どもの特性”にそっと載せることで、角が立たずに話題をふわっと終わらせることができます。
少し踏み込みすぎる相手には、やんわり“返す”ことで距離ができる
中にはひつこいくらい何度も聞いてくる人もいますよね。
そんなときは、相手を否定せずに、そっと“返す”のが効果的。
「〇〇さんのお子さんはどう?」
この一言で、相手はハッとします。
自然と、それ以上踏み込みづらくなるからです。
志望校を完全に隠せなかったけど、気をつけて良かったと思う3つのこと
1.子供に志望校は「言わない・聞かない」が基本と教える
子どもはすぐ心変わりします。
「この学校に行きたい!」って言ってたのに、「やっぱこっちの学校にする」とか。
わが家も女子校に行きたいと言ったり、やっぱり共学がいいと変わったり…。
でも志望校が変わると「〇〇ちゃん、成績落ちたのかしら?」と、余計な心配をされ、必要のない憶測を呼んでしまうこともあります。
子供によっては、仲良しの子と同じ志望校だと聞けばぐっとやる気が出るタイプもいれば、逆にプレッシャーで心が張りつめてしまう子もいます。
反対に、ちょっと苦手な子が同じ志望校だと知った瞬間、勉強へのモチベーションが下がってしまったりもする子もいます。
子供にとっては“まだ結果の出ていない時期に心が揺れやすい話題”だからこそ、距離を置くほうが穏やかに過ごせるような気がします。
“他人の志望校”は言わせない
子ども同士が志望校を言い合うのは、とても自然なことです。
ただ、その中に“他の子の志望校”まで混ざってしまうと、一気に話が変わります。
わが家ではここだけは徹底していました。
自分のことは話していい。
でも、他の子の情報は絶対に口にしない。
志望校を勝手に広められてしまうと、噂や偏差値で“評価されているように感じる”ことがありますし、何より子ども本人が傷ついてしまいます。
そして結果が出たあと、もし万が一うまくいかなかったときには、その傷はさらに深くなってしまうかもしれません。
だからこそ、
「自分のことだけ話す」という線引きが、子どもの心を守るためにはとても大切 だと感じこれだけは徹底させていました。
2.受験期の“母クマ”には近づかない
これは本当にある。
受験が近づいてくると、気づかないうちに心が限界に近づいてしまうママがいます。
もちろん、本人は悪くありません。
それだけ真剣で、子どもを思う気持ちが強いからこそなのだと思います。
ただ、その気持ちが強くなりすぎると、周りが少し見えなくなってしまう瞬間があるんですよね。
たとえば…
- 先生を何十分も待ち伏せ
- 直前期でも講義前後に子供の分からないところを個別指導するよう求める
- 塾の受付で「うちの子、どこなら確実?」と詰問
周囲のママにも
たとえば…
- 他人の子供の成績への口出し
- 人の第一志望校(本命校)、併願校など受験スケジュールを詳細に知りたがる
- 他人の子の過去問の点数を聞いてくる
こういう光景、実際にあります。
うちの夫は言いました。
受験期の母親は、子熊を守る母グマや。近づいたらあかん。
冗談のようで真実。
ちょっとのめり込みすぎてるな~って感じる人からは適切な距離を置くことで、心の平穏が守られました。
3.ママ友の情報より、最終的には“塾の先生”
ママ友からの情報って、ときに宝物のように役に立つことがあります。
「この教材、よかったよ」「あの講座はおすすめ」など、同じ立場だからこそ分かる“生の声”には、救われる瞬間もありますよね。
でも、その一方で、ママ友情報は“確実なものではない” という面もあるのが受験の難しさです。
それぞれのお子さんの
・立っている学力帯
・志望校
・得意不得意
・性格やペース
・家庭の方針
こういった違いによって、「そのご家庭にとっての正解」と「自分の子に合う正解」が大きく変わってくるんです。
その点、塾の先生は、何百人、時には何千人という受験生を見てきた経験があります。
「この学校はこういう特徴があるんですよ」
「このタイプの子は、この勉強法が合うと思います」
そんなアドバイスには、長年の蓄積からくる説得力と安心感がありました。
我が家にとっても、最終的に頼りにしたのはやっぱり“先生の目”でした。
ママ友の声はヒントに、最終判断は塾の先生と家族で。
このバランスが、いちばん心が落ち着くように感じます。
比較から距離を置くことが、いちばんの安心につながる
ママ友との情報交換は、便利なようでいて、結局は 比べる材料 になりがちです。
・安心したくなる
・優越感を持ちたくなる
・焦りを感じてしまう
どれも“人として自然な反応”だけれど、受験期には心をとても消耗させます。
だからこそ、
ほどよく距離をとること
志望校は言わない・聞かない勇気
これが、親子の心を守ってくれます。